指導者としてのスキルアップ
最近、ある一人の生徒について、よく考えることがあります。
練習には取り組んでいるものの、なかなか思うような結果につながらず、本人も何とも言えない気持ちを抱えているように感じます。
それも無理はありません。大人でも子どもでも、頑張っているのにうまくいかないことが続けば、気持ちが前を向かなくなるのは当然です。
その生徒は、練習そのものよりも、練習以外の場面で注意することが多い生徒でした。
これまで彼と接する中で、保護者の方にご連絡して、ご家庭でも話をしていただいたことがあります。教室で、これでもかというほど厳しく叱ったこともあります。
一方で、たとえ話を交えながら分かりやすく説明したり、あえて保護者の方に連絡し、練習の途中で帰宅してもらったりしたこともありました。
もちろん、叱ってばかりいたわけではありません。良かったときには大いに褒めましたし、本人の励みになればと思い、特別なことをしたこともあります。
それでも、なかなか思うようにはいきません。
しかし、彼の様子を見ている中で、うまく言葉にはできませんが、「ここに焦点を合わせることができれば、計算だけではなく、ほかのこともすべて良い方向へ向かうのではないか」と感じる部分があります。
その部分に、どのように働きかけ、どのように指導していけばよいのか。今も答えは見つかっておらず、手探りの状態です。
きれいごとではなく、正直に言えば、とても大変です。
ただ、同時にいつも思うことがあります。
この課題と向き合い、試行錯誤を重ね、一つの答えを見つけることができたとき、それは私にとって、指導者としての大きな経験となり、確かなスキルアップにつながると思っています。
また「知っている」と「できる」は、まったく違います。
「このような生徒には、こう指導すればよい」と言葉で教えられ、知識として知っていることと、実際に一人の生徒と向き合い、悩み、試し、失敗し、また考えながら、一つの答えを導き出すこととでは、その意味も深さもまったく異なります。
一人ひとりの生徒と真剣に向き合い、その都度考え、試行錯誤を積み重ねていく。
その一つひとつの経験の先に、指導者としての成長があり、さらにその先に「日本一」があると信じて、今日も生徒たちと向き合っています。
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